浮舟庵避難日記

草萌えて 静かに荒れ地 隠せども 

   覆い隠せぬ 涙と怒り




先日 用があって南相馬に帰って来ました。 

地元が近づくにつれ、復興が進み、見慣れた風景を期待して

いたんですが、それはやはり儚い夢でした。 

近づくにつれ、長袖にマスクと帽子という姿の人々とすれ違い

途中の学校では校庭の土の除染をしていて、目に見えぬ恐怖と戦って

いました。 そして少し進むと、そこには田んぼが広がり、畑には葉を

大きく広げて実りをつけた野菜類があるはずだったんですが、

目に飛び込んできたのは、育った緑こそあれ、それは雑草の緑でした。

計画的避難区域で人が消え、手入れをする事がなくなった田んぼや

畑は荒れ放題で、これが同じ風景かとしばらく声になりませんでした。

農家の方の涙と怒りが目に見える様です。毎日毎日地道に手入れを

して、土地を活かせてきたんですからね。 

家も同じで、以前一時帰宅した人からの話では、「ほこりは溜まり、空気も

淀んで、そこだけ別世界。動物が入った跡があったりでがっかりして

帰ってきました。」と云う事でした。 人がいないという事は、そのまま

ありのまま言えば、自然のままの時間が進む、悪く言えば、と言うか 

怒りを込めて言えば、人々が生きた証を消してしまうんですよね。

我が家もどうなっている事か・・・。

・・・そして国道より東も草が育ち、土こそもう見えなくなっては

いるものの、元の田んぼの中には津波で流されてきた舟が

そっちこっちに何隻も残っているままでした。 変わったとこと言えば

その舟が朽ち進み、形をなくしかけてる物もあるという事です。

かつては大海原を駆け巡り、美味い魚を捕っていたのに、

見ていると情けなさを感じました。 

居るべき場所で生きていれば、生き生きとその生きざまを

残せたんでしょうにね。



皆が居るべき場所に帰れるのはいつの事でしょう。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック